会社の帰宅途中、青白い男の子に睨まれ取り憑かれた。帰宅したら金縛りにあってしまい渾身の力で振りほどくと

   



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引用元: 【悪夢】最悪の出来事を語るスレ【修羅場】5人目・

111: 名無しさん@HOME 2015/07/14(火) 20:19:31.49 0.net
また暑い季節がやって来た。

異常なまでに蒸し暑かった夏の夜に体験した恐怖の出来事は今でも忘れない。

あの日…繁忙期に入り、俺は夜遅くまで事務処理に没頭する毎日を送っていた。

ふと時計を見ると既に23時を回っている。

書類に判子を押し既決トレイに入れ、溜息をついた。



俺は背凭れに身を預け大きく背伸びをし、おもむろに煙草を咥え、

お気に入りのターボライターを取り出す。

「キンッ」響きの良い音を立てて蓋が開き煙草に火を点け、

煙を吸い込み一呼吸置いて煙を吐き出す。



立ち昇っていく行く煙草の煙を見つめながら、「今日はもう止めだ。」と呟き

携帯を取り出し、愛する妻に帰宅する旨と先に寝るよう連絡をし、席を立った。

戸締りをし、照明を落とし事務所を後にした。

裏口の扉を開いた途端、凄まじい熱気に晒される。

俺は急いで車に乗り込みエンジンをかけ、エアコンを点け車を出し帰途についた。

「今日はいつも以上に蒸し暑い夜だ。」などと呟き、

静まり返った深夜のオフィス街を抜ける。



郊外に出たところで山越えにはなるが、近道のルートを選んだ。

時間が時間なだけに対向車は全く無く、

ところどころに街路灯が点いているだけだが

整備が行き届いており走り易い。



続きます。
112: 111 2015/07/14(火) 20:20:31.51 0.net
大排気量車のおかげで軽々と山道を登っていく。

仕事にひと段落つけば休みを取って妻を旅行に連れて行ってやろう。

もう少しの辛抱だ。などと思いながら車を走らせる。

その時、恐怖の出来事は起こった。



カーブを曲がったところの路肩が広くなった街路灯の下で、

肌の青白い男の子が佇んでいるのが見えた気がした。

俺は驚いてブレーキをかけた。ルームミラーで確認をすると、

確かに男の子が佇んでこちらをじっと見ている。

そして、フッと暗闇へと消えて行った。

この山の中でこんな時間に子供が一人で?

俺は恐怖に憑りつかれ、あわてて車を出した。

エアコンを点けているのにもかかわらず全身から嫌な汗が噴き出すのを感じた。



一刻も早く山道を抜けようとスピードを上げ、

ルームミラーは見ないようにし、BGMの音量を上げる。

やがて山道を抜け住宅街に入り、人の息吹を感じるようになったあたりで、

あの男の子のことを思い返した。

路肩の暗いところで車が停まっていたような気がするし、

あの子供は虫篭のようなものを持っていたように思う。

もう学生は夏休みだ。肌が青白く見えたのは街路灯のせいで、

親御さんとカブトムシでも捕りに来ていたのだろう。



俺は落ち着きを取り戻し、煙草を咥え火を点けようとライターを取り出す。

しかし、いくら火を点けようとしても点火することは無かった。

「ガス切れか。数日前に充填したばかりなのに・・・まぁ良い。

あと少しで自宅に着く。それまでの辛抱だ。」

その時俺は、本当の恐怖はこれからだということを知る由もなかった。



続きます。
113: 111 2015/07/14(火) 20:21:16.92 0.net
自宅マンションに着いた時には午前一時近くになっていた。。

連日の残業で疲れが溜まっているせいか、何かを背負っているように体が重い。

扉を開け、静かにリビングに向かうと、電気が点き、

妻が椅子に座ったまま机に顔を伏せ眠っていた。

あれほど先に寝てろと言ったのに。

俺が帰って来るまで何とか起きていようとしてくれたのか。

その時、不意に体が軽くなるのを感じた。家には愛する妻が俺を待ってくれている。

これが家庭の暖かさってやつか。



俺は優しく妻を起こす。妻は目を覚ますや、慌てて

「俺さん。お帰りなさい。ごめんなさい。私ったら寝てしまっていました。」

俺はそんな健気な妻を愛おしく思い、強く抱きしめ、頬にキスをし、

何か話したそうにしている妻を静止し、寝室へ向かうよう促した。

その頃にはあの子供のことなどすっかり忘れていた。



妻が寝室へ向かうのを見届け、俺はバスルームに向かいシャワーを浴びた。

そして冷蔵庫からブランデーを取り出しグラスに注ぎ、スーッと飲み干した。

この喉越しが堪らなく心地良い。暫く涼み、酔いが回って来たところで寝室へ向かう。

寝室の扉の前で廊下の照明を落とした時のことだった。

突如、周りの空気が淀み、重くなるのを感じた。廊下の突当りで気配がする。



恐る恐る気配のする方向へ目を向けると、

常夜灯だけが点く仄暗い廊下の向こうで蠢く青白く小さな影が見えた。

その瞬間、俺は金縛りに遭い全身が硬直し、妻を呼ぼうとしたが声も全く出ない。

小さな青白い影は音も立てずゆっくりと俺に近づいて来た。

「お兄ちゃん。暗い。暗いよ。」か細い声が聞こえた。

山中で見た子供のことが頭を過る。

俺は渾身の力を振り絞り、もがき、何とか金縛りから脱した。



次で最後です。

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